海外ビジネススクールの調査

戦略的大学連携支援プログラムの達成目的の一つに、世界水準の英語教材の開発(ケーススタディ)を掲げています。その契機を作りこむため、米国の有名ビジネススクールを訪問し、関西学院大学ビジネススクールとの大学連携の申し出を行いました。

■日程:2010年9月23日(木)~30日(木)

■訪問大学、ビジネススクール
University of California, Berkeley, Haas School of Business
カリフォルニア大学バークレー校 ハース・スクール・オブ・ビジネス(サンフランシスコ)
http://mba.haas.berkeley.edu/prospective.html
Washington University in St. Louis, Olin Business School
ワシントン大学セントルイス オリン・ビジネス・スクール(セントルイス)
http://www.olin.wustl.edu/Pages/default.aspx
Emory University, Goizueta Business Shool
エモリー大学 ゴイズエタ・ビジネス・スクール (アトランタ)
http://www.goizueta.emory.edu/
University of California, Berkeley, Haas School of Business
カリフォルニア大学バークレー校 ハース・スクール・オブ・ビジネス(サンフランシスコ)
出席者: Terrance Odean Rudd Family Foundation Professor of Finance
Tech H. Ho Director, Asia Business Center

カリフォルニア大学バークレー校は、ビジネススクールを始めとして、あらゆる学部、学科が全米でトップテンレベルにランクされている大学です。今回、行動ファイナンス分野の第一人者であるTerrance Odean教授とアジアビジネスセンターのTeck H. Ho教授を表敬訪問し、バークレー校が実施しているAdvanced MBAコースとEMBAコースに関する説明を受けました。

バークレー校アジアビジネスセンターは、アジアビジネスを研究するリサーチ機関であると共に、バークレー校とアジアビジネスの橋渡し的な役割を果たしており、アジア各国、特に中国、インドの企業派遣EMBA、Advanced MBAコースの窓口になっています。EMBAコースは会社のExecutiveクラスが対象ですが、Advanced MBAコースは、大学卒業後7、8 年の勤務経験クラスのマネージャーを対象としています。約50人を単位として、2週間程度の集中コースを実施しています。関学ビジネススクールでは、上記コースへ学生派遣の可能性を検討中です。

Washington University in St. Louis, Olin Business School
ワシントン大学セントルイス オリン・ビジネス・スクール(セントルイス)
出席者: Mahendra Gupta Dean of the Business School
Joseph P. Fox Associate Dean and Director of MBA Programs
Gary Hochberg Director of Specialized Master’s Program
Tami Holder Director of International Alumni & Development

ワシントン大学は、2009年度US News World & Reportの全米大学ランキング評価では、学部レベルが全米第12位、大学院ではメディカルスクールが全米第3位、建築大学院が全米第5位、ビジネススクールが全米第19位、ロースクールが全米19位、また、7年連続で卒業生の収入が米国で最も多い大学です。日本では認知度が低いが中西部の名門私立大学です。現在日本では東京大学とのみ包括提携を結んでいます。

ワシントン大学ビジネススクール側からDeanのMahendra Gupta氏を始め、MBAプログラム担当のAssociate DeanであるJoseph P. Fox氏、 DirectorのGary Hochber氏、Tami Holder氏の出席のもと、関西学院大学の紹介をした後、訪問の趣旨である、ビジネススクールの連携、ビジネスケ-スの共同開発、共同研究、学生交換等々の可能性に関して意見交換を行いました。

ワシントン大学側からのコメントは極めて前向きなものであり、Dean であるGupta氏からは積極的に提携を進めたい旨のコメントがありました。ワシントン大学ビジネススクールは、Diversityを求めており、日本からの留学生が少なく、最近、薄くなりつつある日本との関係を強化したいとの意向が感じられました。

ケースの開発、共同研究に関しては、今後ケースの内容により相応しい教授を紹介いただき、学生の交換に関しては、ワシントン大学、関西学院大学ビジネススクール間で、シラバスに関して実現の可能性を検討して行くこととなりました。

工学、理学系を学んだ後、修士レベルでファイナンス、マーケティングを学びたいという学生が増えているとの事で、オリン・ビジネス・スクールではMBAコースや会計コース以外に、ファイナンスやサプライ・チェーン・マネジメント等を学ぶ、理系の学生のためのマスターコースも開設しており、こちらにも日本からの学生を招請したいとの申し出がありました。なお、ここでの学位はMBAではなくMaster of Scienceになります。

Emory University, Goizueta Business School
エモリー大学 ゴイズエタ・ビジネス・スクール (アトランタ)
出席者: Maryam Alavi Vice Dean of Faculty and Research
Robert K. Kazanjian Vice Dean of Programs
Valerie Molyneaux Associate Director of International Programs
Harriet Ruskin Director of MBA Program Office
Annand Swaminathan Goizueta Chair and Professor

エモリー大学ゴイズエタ・ビジネス・スクールは、アメリカ南東部の発展と共に、ここ10年で評価を上げてきており、2009年度US News & Reportのビジネススクール・ランキングでは、5位にランクされています。南東部ではデューク大学、ノースキャロライナ大学と並ぶ名門大学であり、関西学院大学とは大学レベルで連携をしています。

本プログラムの海外アドバイザーでもあるSwaminathan教授のコーディネートにより、共同研究、学生交換に関して密なる打ち合わせを行いました。

共同研究に関しては、Vice DeanであるMaryam Alavi氏から、エモリー大学の現状を踏まえた詳細な説明がありました。ビジネススクール同士の提携という形で進めると、制度だけが先行して形式的なものになり、内容が伴わなくなってしまう恐れがあるので、教授レベルの自由な交流の中から発展させて行くことを勧められました。関西学院大学側から興味のある分野の教授への自由なコンタクトが可能とのことです。

学生の交換に関しては、できるだけ早いタイミングで実施したいとの意向を受けました。一般講義、集中講義のシラバス等の詳細をエモリー大学から受け取り、内容の検討を行っていく予定です。