イノベーション実現指向 MOTプログラムの開発 関西学院大学専門職大学院 経営戦略研究科MOTプロジェクト  協力)社会連携センター
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事例研究
今回のMOTプログラムで開発した4つのケース教材について
 
1.テクノロジー・マネジメント 製品開発事例研究 3.アントレプレナーシップ 4.マーケティング戦略
 
 
玩具銃の販売から社会貢献を目指した新製品開発へ
マゼランシステムジャパン株式会社 GPS(Global Positioning System)開発・輸入販売
 
マゼランシステムズジャパンは、本社を大阪府豊能郡能勢町に置くハイテクベンチャーである。1987年2月の創業、資本金は1億4250万円、従業員数6名、売上は、年間約1億円である。
同社は、現在、次の3つの事業を基本的な柱としている。第1に、GPSの輸入販売会社である米国タレスナビゲーション社(以下、旧マゼランコーポレーション)が取扱っているGPSの輸入販売を行っている。第2に、タレス社が持つGPSの製造技術を日本メーカーへ仲介するビジネスを行っている。自社にもGPSのデザインや製造の技術を有しているため、単なる仲介だけでなく技術的なフォローも行っている。第3に、第3世代の携帯電話に搭載できるような超高感度のGPS技術の開発を行っている。
社長の岸田信弘氏は、学生時代はヨットの選手として活躍しているが、大学卒業後(1984年)は化学品の専門商社である小池産業に入社し、半導体プロセス機器の輸入販売を行う。その後、ヘッドハントされて兼松セミコンダクター(現、兼松)にて移り、半導体プロセス機器の販売に携わる。この時期に半導体について勉強したことで、ヨットで培ったナビゲーションとシリコンが合体して現在のGPS開発に繋がっている。
同社は、1999年に情報処理振興事業協会との間で高感度GPSの開発請負契約を締結し、三菱電機、米国マゼランの3社での共同開発として取り組み2001年に完了した。この研究成果をベースに、同社では2002年より事業化をめざした超感度GPSの開発に着手している。総務省で2007年の4月以降から製造される携帯電話に関しては、位置情報を発信できる機能の内蔵が義務づけられる。
同社は株式会社コアと2005年6月に資本提携を結んでいる。同社はコアから5000万円の資金出資を受け、エンジニアリング・販売などの面からのサポートを受けることになる。コアは、特にソフトウェア組込(エンべデッド)開発に関しては日本でナンバーワンの実績をもっており、さまざまな携帯電話メーカーとの取引実績もある。そうした国内メーカーに対して同社のチップを紹介してもらい販売に結びつけることが期待されている。同社とコアは、半導体メーカー、半導体商社などとのアライアンス体制を整え、まず3G携帯電話への超高感度GPSの導入を推進する。またコアは、同社からの開発委託を受けて、検証用ボード開発(FPGA版)、機能評価用チップ(ES)開発、製品サンプル用チップ(CS)の開発を行う。これにより同社の知的財産権を搭載したGPSチップの販売では、2005年度12.5万個、2006年度120万個以上、2007年度170万個以上の販売を見込み、将来的には高感度GPS携帯(チップ)市場シェア30%の獲得を目指している。 
同社は台湾メーカーともパートナーシップを結んで“ファブレスカンパニー”を目指し、知的財産権によるビジネスモデルを組み立てている。一方、ヨーロッパが今度打ち上げるガリレオ測位衛星群運行に中国はヨーロッパとともにスポンサーになっており、同社は2005年7月に上海にあるガリレオ研究所と共同開発のための包括的な共同契約を結んでいる。
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本プログラムは経済産業省による「技術経営人材育成プログラム導入促進事業」の支援を受けています。