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経営者の資質として、(1)志、(2)バイタリティ＝知力×（意力＋体力＋速力）、(3)人間愛、(4)胆識があると考えています。特に、指導者にとって一番大切なのは高い志を持っている事です。中国の名言「志 千里に在り」を主題に、私のお会いした経営者の方々の特徴をお話させていただきます。
それぞれの宇宙 それぞれの戦略
経営者にはそれぞれの宇宙、男のロマン、人間としての夢があり、それを達成するための戦略を持っています。戦略を立てる場合、大事なことは先見力、戦略眼、構想力です。これらが縦糸横糸として織りなされたのが経営者の戦略です。
1）百年の遺伝子
小林一三翁、松下幸之助相談役の経営理念、ビジネスモデルは百年たった今も生き続けています。ふたりとも大変先見力のあった方だと感じています。
小林一三翁（阪急東宝）、松下幸之助相談役（松下電器）
2）ひと筋の道
ひと筋の道とは、創業者の方々のことです。創業者の特徴は社会の動きに敏感であること、つまり外向きで、構想力があることです。
3）破壊と創造
事業は決してスムースにいくわけではなく、立て直しや改革が必要になってくることがあります。この時期にぶつかった経営者の特徴は分析力があることです。創業者が外向きなら、こちらは内向きの今の会社の状態を厳密に分析する能力に優れている人たちです。
中村邦夫社長（松下電産）、丹羽宇一郎社長（伊藤忠商事）
古森重隆社長（富士フィルム）
4）発展の加速
事業がスムースに行っていて、先の改良をするほど傷んではいない、しかしもっと発展させるためには手をいれなくてはならないというのは当然です。これを行う人の特徴は、良いとこは残す、それで修正する、目配りの効いた経営をします。
日向方斉社長（住友金属）、長谷川周重社長（住友化学）、古田武社長（カネカ）
井上礼之社長（ダイキン）、宮内義彦社長（オリックス）
5）新しい宇宙
経営者の枠を超えて新しい宇宙を創造した人がいます。モノを売るだけでなく、文化、芸術、政治の世界まで広げた財界人です。しっかりした人生観と社会観を持っておられる方です。
佐治敬三社長（サントリー）、牛尾治朗社長（ウシオ電機）
6）退き際の美学
権力の座から降りるのは未練があるものですが、これをすっぱり辞めることが大事なわけで、本人の美学が必要です。ここに特徴的な3人をあげます。
大屋晋三社長（帝人）、越後正一社長（伊藤忠商事）、立石義雄社長（オムロン）
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